アレッポアンティークドキリム Aleppo Runner Kilim

3メートルを超える見事なランナーキリムは、マラティアのアンティークキリムです。
力強い色彩とボーダーのない横縞のデザインは、マラティアのキリムにみられる特徴のひとつです。
横縞の模様に編みこまれたフリンジも、よくみられるデザイン。
もともとクルド人によるキリムが多く、メリハリのある凝った模様織りはその影響を感じさせます。
しかし、クルド人がキリムによく用いる、暗めの色調が多いマラティアのキリムの中でも、こちらのものは
同じく力強さはありながら、鮮やかなピンクとブルーによる印象が鮮烈な、希少性の高い美しい色合いが特徴の一枚です。
わずかに青味のあるピンクは個性的な色合い。インディゴに映え、グレーに馴染みます。
華やかな明るいインディゴの染めも、見事です。
織り手はそれを意図したのでしょうか、色の帯の順を、ただ青・ピンク・白・・・と単純に繰り返さないことで、単調さがなく、全
体が一つのキリムとしての完成度を高めているように感じられます。
長く続く大作だからこそ、デザインのアシンメトリーさや、少しずつ異なる模様が生き生きといかされてきます。
年月を経たからこそ得られた、どっしりとしなやかな感触は、確かな存在感とともにこの上ない上質さを感じさせ、
その空間を一変させる力をもっています。